IOS(口腔内スキャン)Primescan(プライムスキャン)を導入して

IOS(口腔内スキャン)Primescan(プライムスキャン)を導入して
2024/07/ 8

口腔内スキャナーPrimescanを先日導入しました。これまで、マウスピース矯正・インビザラインの型どりを行うためにはアラインテクノロジー社のスキャナーiTero elementが必要不可欠で、それをクラウン、ブリッジ、インレー、インプラント治療の型どりに応用して使っていました。(写真1はiTeroの画像)IMG_1416.jpg                                                                        写真1

ワンドと呼ばれるカメラを口の中にいれて、口の中を移動させることによって口の中の状態を取り込みます。

口腔内スキャナーを製造販売しているところは十数社ありますが、もっと多いかもしれません。口腔内スキャナーが世界で初めて発売されたのが1985年のCERECです。日本では、そのカメラとしてブルーカムを搭載したCERECの発売が2005年でしたので、日本でもすでに20年を経過しています。当院で最初に導入したのが2012年ですから、既に12年前から当院はデジタルに取り組んでいることになります。CERECを販売した会社がShirona というドイツのメーカーですが、その会社の最新の口腔内スキャナーが、Primescanです(写真2はPrimescan Conncctの画像)

OIP (2).jpeg                               写真2

基本的には同じで、カメラを口の中に入れて、口の中の画像を取り込むのです。iTeroとPrimescanの違いは、スキャンした口腔内の画像の印象の違いです。(同じ被写体で見比べていただきます写真3)同じカラー画像をも比べると、Primescanの方がよりリアルです。歯の状態だけでなく歯ぐきの状態もより鮮明にわかると思います。当院に設置してあるiTero element 5Dには、NIRI機能といって歯と歯の隣接部の虫歯を検知する機能がありますが、Primescanにはそのような機能はありません。

スクリーンショット (287).png スクリーンショット (288).png                      

                   

                                

写真3 iTero                                                                                                          Primescan

Primescanもスキャン画像を取り込むので、クラウン、ブリッジ、インレー、インプラントの型どりに応用できます。また、Shirona 社は、SureSmile(シュアスマイル)というマウスピース矯正も手掛けているので、シュアスマイル・マウスピース矯正も提供できるようになりました。マウスピース矯正ですから、基本的には同じですが、マウスピースの材質の違いとか、治療計画作成のためのソフトの違い、作成するエンジニアへの指示が英語であるとか、いろいろと違いはあります。インビザラインには、使用するマウスピースの数、治療期間、マウスピースを追加で作成できる回数により様々なパッケージが用意されていましたが、シュアスマイルでは、治療期間3年、追加のマウスピース作成が無制限、Vproと呼ばれる振動型の加速装置が付くコンプリートオプションと単回でオーダーできるセレクトオプションの二つだけです。インビザラインは、小児用のインビザラインファーストがありますが、シュアスマイルは大人用だけになります。インビザラインでは、治療期間5年、追加のマウスピース無制限のコンプリヘンシブパッケージのみCTデータを利用できるのですが、シュアスマイルでは、CTデータの利用はどのオプションでも、プレミアムオプションとして選択できるようになっています。

Primescanの導入によって、患者さんへの治療説明に利用できる画像が増えたのと、クラウンやブリッジなどの補綴をすすめるためのデータを取得するための手段が増えました。それに、シュアスマイルというマウスピース矯正を利用できることになり、一段とマウスピース矯正の症例をカバーできるようになったことが、大きな収穫といえるでしょう。