2025年に向けて考えること

2025年に向けて考えること
2024/12/31

昨年8月から、インビザラインの治療計画のクリンチェックはCBCTの画像と連携するようになりました。これまでは、歯茎から見える範囲での歯の移動を見て計画を立てていましたが、CTと連携したクリンチェックでは顎の骨の中の歯根の動きも見ることができるようになりました。同じ患者さんのクリンチェックを見ていただきます。顎の骨が見えない状態ですと歯根が見えないのですが、CTと連携したものでは、歯根まで見ることができ、赤くマークしてある部分は、顎の骨から歯根が出ている部分を示しています。歯は顎の骨の中を移動しますので、この赤いマークが出ないように移動の仕方を考えます。骨は外側の固い皮質骨とその中のスポンジ様の海綿骨からできていますが、歯はこの海綿骨を移動していきますが、動く途中で歯根が皮質骨に当たってしまうと動かなくなってきます。クリンチェックでは、歯根が皮質骨に当たっていても移動する画像ができてくるので、歯肉と歯しか見えないクリンチェックでは、画像では動いているのに、実際は動かないことがありますし、マウスピースはポリウレタンというプラスティックでできているので、思わぬ動きが出てくることもあります。このようなメリットはほんの一部ですが、インビザラインは大きく進化したと感じます。

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また、今年7月に、デンツプライ・シロナ社の口腔内スキャナーを導入しました。このスキャナーでも、マウスピース矯正のスキャンをすることができます。デンツプライ・シロナ社は、シュアスマイルという商品名のマウスピース矯正を販売しています。アタッチメントを付けたり、IPRを行ったりするのはインビザラインと変わりはありませんが、マウスピースのトリムラインを変えることができます。インビザラインではスキャロップ形態、写真では上のように歯の形に合わせているのに対し、シュアスマイルでは、スキャロップタイプもできますが、歯肉を1~2㎜覆ったストレートタイプを選択できます。(写真下の画像)歯を完全に覆うことができるので、しっかりと歯全体をつかむことができ、アタッチメントを少なくすることができます。またシュアスマイルもCTと連動していますので、顎の骨の中を移動させることができます。マウスピース矯正は、いろいろな種類が出ています。それぞれ特徴があります。みと歯科・矯正歯科では、その中でもこれまでの治療症例の多い歴史のあるものを選び、採用しています。

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これだけデジタル化が進んでいます。ChatGPTも普及し、AIがいたるところで活用されています。矯正のレントゲン写真にしても、AIによる分析が当たり前のようになってきました。これまで一時間以上かかっていたセファロというレントゲンの分析が、数秒でできるようになりました。このWebCephというソフトを患者さんすべてに使っています。このソフトは、すでに数年前からありますが、かなり普及してきています。

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矯正治療だけに限らず、クラウン、ブリッジ、詰め物の作成に口腔内スキャナーを利用するのが当たり前になってきていますが、患者さんにお口の状態や治療について説明し理解していただくのにも、スキャナーで撮った画像が大変役に立っています。レントゲン写真を見ながら説明を受けても理解されている患者さんはとても少なく感じます。一つ一つの歯の状態を見ることもできますし、噛み合わせの状態も画像の色で確認できます。スキャナーで撮った画像は、いろんな角度からでも、上顎だけ、下顎だけ、後ろから覗くように見ることができます。実際の状態を画像で確認してもらうと、現状の把握が正確にできるようになります。

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当院では、採用していませんが、義歯(入れ歯)もスキャンして作れるようになりました。スキャンをもとに3Dプリンターで模型を作製することもできます。

 このように歯科治療におけるデジタルの活用は多岐にわたっています。

 事務的なことで言えば、マイナンバーカードに紐づけされた保険証の確認もリーダーで行うようになりました。保険請求もオンラインで行えるようになました。診療費の支払いも、クレジットカード、Paypayなどを使ってキャッシュレス化が進んでいます。

 どんどんとデジタル化が進んできています。その波は避けることができません。2025年も、できるだけその波に乗って行けるように努力していきたいと考えています。