アライナー矯正の成功のポイント(患者様編)

アライナー矯正の成功のポイント(患者様編)
2025/01/21

インビザラインやシュアスマイルに代表されるマウスピース矯正(以降アライナー矯正と言います)を成功に導くポイントを患者さんの立場から話していきます。

患者さん側のポイントは4つあります。この4つのポイントを押さえていただければアライナー矯正を成功に導くことが出来ます。。

まず一つ目は、使用時間です。アライナー矯正は、アライナーで動かしていくものなので、使用しないと動きません。また、アライナーはご自分で取り外しができるので、ついうっかりと忘れてしまうことがあります。当院では、食事とブラッシングなどの口腔衛生に割く時間以外、できれば22時間の使用を勧めています。22時間装着すると2時間つけない状態になりますが、この2時間は止まった状態になるのではなく、後戻りすると考えていただきたいのです。22時間つけていても実質20時間の効果になるのです。もし17時間装着したとすると7時間つけていないので、7時間後戻りをすると考えると、10時間の効果しか出ていないことになります。食後は、できれば歯ブラシをして、口の中を清潔にしてから装着するのが一番ですが、それにこだわっていると装着時間が少なくなってしまします。家族やお友達と外食やお茶をしたり、子供でも給を食べ、友達と駄菓子屋に行くこともあるでしょう。歯磨きしないと装着できないとこだわっていると装着する時間が少なくなってしまいがちです。すぐに歯磨きできないときは、お水かお茶で口をゆすいで、それから装着するようにすると結構長い時間つけられるものです。少なくとも20時間は装着していただきたいのですが、18時間しか装着できない日があれば、次の日に21時間、またその次の日も21時間頑張って装着して平均20時間を守ってほしいと思います。また、常温以下の飲み物でしたら、装着したままでも構いませんが、砂糖、炭水化物、炭酸の入ったものは虫歯の原因になるので避けてください。

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二つ目は、アライナーチューイをしっかりと使用することです。アライナーチューイはシリコンでできた弾力性のある円筒状の装置です。アライナーは使用時間が大切とお話ししましたが、しっかりと入っていることが大変重要になります。アライナーチューイは、アライナーを歯にフィットさせるもので、適切な圧力をアライナーにかけることができて、歯の移動をスムーズにさせます。特に難しい動きのところは念入りに咬んでアライナーをフィットさせます。アライナーチューイを咬むと口の周りの血流が20%も改善され、歯が早く動くという報告もあります。

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三つ目は、顎間ゴムの使用です。顎間ゴムは上下の歯にボタンなどの装置を付けたり、アライナーにスリットを入れて使用します。出っ歯や受け口、叢生、噛み合わせの改善、リカバリーなど様々な場面で使用していきます。ワイヤーでの矯正治療でもよく使いますが、アライナー矯正では大変重要になります。ここで患者さんが、指示通りに顎間ゴムをつけていただかないと計画通りに動かないことがあります。

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四つ目は、モニタリングです。ここでのモニタリングは患者さん自身のモニタリングになります。患者さんには、IPRやアタッチメントを設置したりすることがなければ、2,3か月分のアライナーを差し上げます。それを基本的に1週間毎に患者さんご自身で交換していただきますが、その時にお口の中をよく観察していただき、フィットしていないところがないかどうかをチェックしてみるのです。フィットしていない場合は、新しいアライナーへの交換を遅らせたり、チューイをしっかりと咬んでフィットさせます。アライナーが常に歯にフィットさせ治療を進めることができれば治療が成功する確率がぐんと高くなります。

このように、アライナー矯正治療には患者さんの協力がとても大切になります。患者さんのやる気とモチベーション維持にかかっています。